こうすればキャラは保てたのでは?

2期も目前ですし、先のブログで挙げた部分が「こうだったらキャラクター設定を保ててよかったんじゃないかな」というのも書いておこうかと思います(全てではありませんが)。


89話ラスト

栞子「そうですか、ありがとうございます。失礼しました」

〜廊下へ移動〜

栞子「……生徒の先頭に立って導くべき立場の人が自分のことを優先するなんて…… やっぱり私が変えるしかないんだわ……


質問に答えてもらった礼を言う。用が済んだら退出する。生徒会業務の邪魔になることをしない。

礼儀正しさと他人への気配りの描写。



・練習着

栞子が練習着の後ろ姿で登場

愛やかすみが「もっと髪飾りとかつけようよ」とぐいぐい言ってほぼ無理矢理つける(栞子は「ダンスの時に危ないのでは?」とか言って少し抵抗するといいかも)

栞子の正面向きの立ち絵をお披露目


こうすればいい、というよりこうしたら自然、みたいな感じ。これは単純に安全面と好みの話。




・毎日劇場『華道体験!』

(ラスト部分改変)

栞子:足のしびれに効くツボがあるんです。少し痛いかもしれませんが押しましょうか?

果南:うう、栞子ちゃん、お手柔らかにお願い〜!


ツボを押す前に果南の了承を得る。また、「栞子がツボを押す」と「ツボの場所を教えて果南自身が押す」の2択の提示にするとなお良しという感じ。



あとは以前のブログでほとんど言ったようなものだったりそもそも描写が蛇足なものだったりが多かったので、今回挙げるのは以上です。

一方的に「これはおかしい」とだけ言っていては卑怯な気がしたのでこのようなブログを書いたのですが、他に何かしら聞きたいことや言いたいことがございましたらTwitter(@40r1k0mur1)にリプライを送っていただければと思います。アイコンがスクフェスのベッドの称号のイラストのものです。

三船栞子が受け入れられない

2020年8月3日に彼女の虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会への加入が発表され1年と少し経ち、ユニットの結成、更にはそのユニット名の発表とCDの発売が告知された今でも彼女というキャラクターのことを受け入れられずにいる。

当時の自分は17章が配信される前にスクスタを始めたばかりで、三船栞子の加入が発表された時は13章あたりを読んでいたような気がする。少なくとも、栞子の加入発表までに17章を読み終えてはいなかった。

 

以下の文は全て自分の感想であり、これを読む人の感想や感情を否定するわけではない。

また、演じる声優やシナリオライターを含めて実在の人物を攻撃する意図はないため、その点をご理解ください。

 

 

正直な話、スクスタのメインストーリーは1章の時点でつまらない話だと思っていた。菜々の出した同好会の存続要件と無関係の条件に連絡を取らない初期メンバー、「とりあえず9人集めてこれがニジガクメンバーだという紹介をしたかっただけの導入部分か」というのが初見のときの感想だし、1章は途中から文章を読まずに連打して誰が喋ってるかしか見てなかった気がする。

それでも、前の話でメッセージを送るメンバーの選択で話が一部変わるのだとか、キズナでもたまに選択肢が出るのだとか、そういったところは面白いと思った。スクフェスではすぐにフェードアウトしてサイドストーリーくらいでしか出番がなくなったプレイヤーの化身のようなキャラが、その世界になにかしらの影響を及ぼしているような気がして好きだった。

概ねそんな感じで、スクフェス時代からの馴染みの3人、特に早い段階でフェス限定の部員を引けたしずくと、始めて2週間くらいでURを2枚引けたかすみのことを特に気に入りつつ9人ともかわいいなぁと読み進められた。7章までは。

 

8章、いよいよ三船栞子が登場する。最近の生徒の学業や部活の成績が下がったことは生徒会長に責任があり、生徒を導くべき生徒会長がその仕事よりも優先するものがあるのは許されない、とのことらしい。

彼女はその後、中川菜々の後をつけて同好会の部室を訪れ、せつ菜の正体をすぐに看破し(これはせつ菜が中川菜々の名前に反応したり同好会のメンバーの反応のせいもあるだろうが)、理事会に掛け合って生徒会長の再選挙を実施すること、自身が勝ったら同好会は廃部すると言い渡した。そんな彼女への第一印象は""の一文字だった

彼女の立場は別に考えても、見た目もあまり好かないタイプのキャラクターだ。ひと房だけにょろんとした前髪に、髪の毛を結うのが苦手なのかとも思えるふんわりした結び目。特徴的な歯については後述させてもらう。

今でも別のコンテンツから出てきたような見た目でラブライブっぽくないなと思っている(これは栞子に限らず、ランジュ・ミア・ランジュの母などにも同じことを思っている)。

容姿は苦手でも内面が好きなキャラクターというのはもちろん存在するので、この時点では「この敵キャラのキャラデザは苦手だな」程度にしか思っていなかった。

キャラクターの容姿の好みはそれこそ人によって違うので、もしこれをお読みのあなたが栞子のキャラデザが好きだとしても、この文章はその「栞子のキャラデザが好き」というあなたの気持ちを否定する気はない、ということも合わせて理解していただければと思うし、これ以降の文章で登場する「苦手・嫌い・受け入れられない」などの文言についてもそうであると分かった上で読み進めてほしい。

 

 

9章では、三船栞子は日本有数の名家であり財閥の流れを汲む三船家の次女で、茶道や華道は師範級の腕前でディベートコンテストでの優勝経験があり、人の向き不向きを見るのに長けている、とかすみが言った通り『設定モリモリ』なキャラクターであることが判明した。

 

まさか同好会に入るなど夢にも思わなかった当時の私は、この時点で彼女のことをキャラクターとして"無理"だと思っていた。敵だから、同好会に苦難を強いるから、ではない理由で。

 

問題は三船栞子の外見と設定のズレだ。

口から覗く歯は他の27人の立ち絵にはないものであり、公式も彼女のデフォルメされた顔やねそべりぬいぐるみにも登場するほど特徴的なものと位置付けているのが窺える。

単なる好みで言えばいわゆる八重歯が強調されたキャラクターはむしろ自分好みではある。

しかし、「東京・お台場にある学校に通う、財閥の流れを汲む日本有数の名家の娘」が歯列矯正をしてないというのが非常にちぐはぐだと思ったし、もっと言えばそのミスマッチ加減に気持ち悪いとも思った。これが現代日本とかけ離れた異世界での話であれば、そういった設定でも受け入れられたかもしれないが。

ちなみに、彼女の加入後にとある件でスクスタ運営に問い合わせをした際、運営から返信されたメールに「三船栞子の八重歯」という表現があったため、あの歯が八重歯であるというのは公式設定であることがわかる。

 

無論、1人の"人間"のキャラクターとしても無作法だと感じた。

最終演説のシーンは自身の公約ではなく先に演説を終えた菜々の否定から入り、演説を終えた菜々に問いかける。相手の政策を否定する。

「いま壇上でやることは演説であって、個人攻撃や討論会ではないだろう」と、再選挙の経緯なども相まって"相手を追い落とすために汚い手も使う、自己中心的な小狡いキャラクター"という印象を持つに至ったのだ。

 

 

 

その後、8章から17章までという長い時間を経て、2020年8月3日、彼女が虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会に加入することが発表された。

 

初の追加メンバーに歓迎ムードの中、Twitterである画像を目にした。

彼女のキャラクターデザインの大きな特徴ともいえる歯が、3Dモデルでは立ち絵と逆側に生えているのが分かる画像だ。

初めて見たときは目を疑ったし、3Dモデルでは向かって左側にあることを自分で確認したときは「は?」と声が出てしまった。

 

スチルによって歯の位置が違うのは、イラストの構図の縛りがある中で逆側にしないと歯が見えなかったり、映えるイラストのためにあえて逆に描くなどの事情があるから仕方ないことだと思う。ラブライブ以外の様々なコンテンツで、スチルによっては立ち絵と別の位置にあるのは目にするし、趣味程度とはいえ絵を描く身としては決まった側を見せようとすると構図が限定されるのも理解している。

 

ただ、立ち絵と3Dモデルで違うというのはあまりにも気持ち悪かったのだ。

立ち絵の方向からでは見えない位置にもあって両サイドにあるというわけでもなく、単純に左右が反転している。1本目立つ歯があり、その位置は普段のテキストパートや公式ホームページのキャラクター紹介で用いられる立ち絵と、そのキャラが実際に踊る時に用いられる3Dモデルで位置が異なる。

これが三船栞子のことが"生き物として無理"になった瞬間だった。1人で不協和音を生み出すようなキャラクターを受け入れられなかった。

 

 

 

受け入れられずにいる自分の心が狭いのかと思い、栞子の水着の配布キャンペーンの時から彼女絡みのストーリーをできるだけ読んでどうにか好きになれる点を探そうとしてきたのだが、加入以降のメインストーリーも、キズナストーリーもサイドストーリーも毎日劇場も読めば読むほど設定とのズレが目につき、ますます"無理"になっていった。

 

肩書きの時点で違和感を覚える。

 

栞子は小狡い女で基本的に他人を見下していて、正々堂々とした勝負を避けているようにしか見えなかったのに、「まっすぐ系」。

しかも本人はせつ菜に『そんな中途半端な気持ちで生徒会の仕事をやっているのでしたらあのレベルの仕事にもなりますね(8章10話)』などと言っていたにも拘らず、9章の再選挙を『正々堂々戦った』と言い、せつ菜に謝罪するそぶりを見せなかった(船栞子SR「えっ!? 真っ赤……?」サイドエピソード)

また、栞子は後にメインストーリーで『……あの時は私も、色々と失礼なことを言ってしまって…… 本当にすみませんでした』とせつ菜に謝っているので(26章2話)、

前者が本心であればせつ菜が「栞子が生徒会長になってよかった」と語っているところにかつての非礼を詫びることでせつ菜が「許さない」と言い難い状況に追い込むことができて、せつ菜が謝罪を受け入れたという事実を作ることができるし、メタ的な話にはなるが同時にプレイヤーにも「栞子は謝罪した」と認識させることができる。

後者が本心であれば『正々堂々戦った』と言ったのはせつ菜の気分を乗せて話を逸らすためだったのではないかとも考えられる(事実『戦友みたいで』とせつ菜のスイッチを入れ、話が逸れている)。

どちらも栞子の本心だったのであれば、例え選挙後に考えを改めたのだとしても「正々堂々とした勝負で相手に失礼なことを言うのは問題ではない」と認識していたことになり、

ディベートコンテストで優勝した経験があるという設定も、ディベートの際に他の選手に失礼なことを言うことを「正々堂々とした勝負」の一環として行っていたかもしれないという疑義が生じる。失礼な発言で相手の動揺や興奮を誘い、冷静さを欠いた発言をさせたのではないか。そういう風に受け取れるのだ。

どちらも本心でない場合は言うまでもなく最悪だろう。自分の勝手の行いが「正々堂々とした勝負」のものではないと認識していながらも、せつ菜にした謝罪は「謝った」という事実を作るためのものでしかないのだから。

 

また、メインストーリー27章において、スクールアイドル部に居づらい状況で同好会に練習をさせてほしいと頼みに来た際に、『スクールアイドル部のスパイでしょ』と警戒するかすみに対して、『かすみさんのかわいさは簡単に真似できるものではない(意訳)』とかすみの機嫌を取るようなことを言って誤魔化すような場面もあった。

このシーンの後にしずくが『栞子さん……かすみさんの扱い、わかってきたね!(後略)』と言っており、それに対しても栞子は『しずくさんとのやりとりが、大変勉強になります』と返しており、

かすみの"扱い"という言葉を否定しないあたり、かすみのことを対等な関係の人物と思っておらず、彼女にまっすぐ向き合おうとしていないのが分かる。

 

こういう部分で、彼女の「まっすぐ系」の看板にはつい首を傾げてしまう

あえて言えば13章で繰り広げていた部活動紹介の会議をほぼ同じ内容で5回も行っていたというところで「自分の意思を曲げる気がない人間」という意味での「まっすぐ系」なのかもしれないが、

その割にランジュの妨害を止めるのではなく弱める程度に留めたり(20章)、

姉のはた迷惑な行為に対して『言っても聞かないので、諦めました』と語ったり(27章)、

『同好会のみなさんとランジュとの間を右往左往するだけで……』(28章)と対立する同好会と部の間をふらふらしていただけという自覚があるあたり、

そのまっすぐさは自分と対等であるか自分より下に見ている人にしか発揮されないようだ。

 

 

また、2020年8月3日に公開された公式サイトのお知らせ内の"「三船栞子」加入決定!"と題された画像では彼女のことを「ひたすらに真面目」、スクスタ公式(@llas_staff)が2020年12月27日にTwitterにアップロードした栞子の紹介画像においては「礼儀正しく真面目な性格」と紹介しているが、

 

休日に生徒会長(菜々)に会うために生徒会室を訪れた際に、応対した生徒会役員に質問を投げかけておきながら、

その回答に対しての礼や返事もせずに『……生徒の先頭に立って導くべき立場の人が自分のことを優先するなんて…… やっぱり私が変えるしかないんだわ……』と独り言を漏らしている(メインストーリー8章9話)。

自分の質問に答えてもらったというのに礼も言わず、一言では済まない長さの独り言を言うという行為は、果たして礼儀正しくひたすらに真面目なキャラクターのとる行動なのだろうか。

 

また、前述した27章でのかすみへの態度(特に、ライブの手伝いを頼むシーン

(メインストーリー27章7話)では「同好会を潰そうとしていたのはヤキモチのせいだった」という自覚がありながら申し訳なさそうな態度を一向に見せなかった)や、

生徒会の仕事の引き継ぎの最中にせつ菜(菜々)とスクスタちゃん("あなた")に対して『お二人は本当に優秀です』と凡そひと学年上の先輩に対しての言葉とは思えない上から目線の評価を下している(栞子キズナエピソード4話)。

 

それに、華道の体験をしている果南が「足が限界、正座の適性がないみたい」と言っているところに『足のしびれには、このツボが効きますよ。えいっ』と、果南の言葉も待たずにそのツボを押している(2020年12月9日の毎日劇場『華道体験!』)。

ウェブ上のコラムに記載されていた内容のため正確な情報とは言い切れないが、正座の足の痺れに効くツボは足三里・委中・解谿」の3つあり、いずれも足に存在する。

そのうち栞子が押したと考えられるのは足三里と解谿であり(委中は「撫でる・さする」ツボであり「押す」ツボではないらしい)、前者は脛の外側、後者は足首にある。

どちらも不意に他人に触られるのに慣れている部位ではないだろう。

いくら華道の体験の最中で互いの手や膝同士が触れ合う状況にあったからといって(手は意図的に触ることもあったかもしれないが、膝は時折偶然触れる程度だろう)、

いきなりそれら以上にパーソナルな部分を『えいっ』と力を込めて押すという行為からは礼儀や親切さが些かも感じられない。

ちなみに委中はひざの裏に位置しており、撫でる程度とはいえどこに触れるかを告げずにいきなり委中を触るのは、足三里と解谿をいきなり押すのと同様かそれ以上に無礼であり不親切だろう。

 

また媒体は異なるが「にじよん シーズン4 #7 栞子とせつ菜②」においても、

中川菜々が既に「優木せつ菜」を名乗っているのを知りながら『私も「ゆうきせつな」を名乗ってもいいでしょうか…』と聞くのも、言うまでもなく自己中心的でありせつ菜に対する礼儀が欠けている

 

"人への敬意を微塵も感じさせない礼儀知らず"で"一見真面目に見えてもその本性は真面目とは程遠い"、慇懃無礼な人間に見える。

これも、公式の紹介文に対して違和感を抱かざるを得ない。

 

 

"「三船栞子」加入決定!"の画像には、他にも気になる点がある。

「融通が利かない硬さがあるが、休日はボランティア活動に励むなど「みんなのために」行動できる」というところだ。

 

彼女は13章での部活説明会の話し合いにおいて、ほとんどなにも変わらないものを5回も繰り返している。

栞子の行動が彼女なりに新入生のためと思ってのことであるというのはわかるが、説明会に参加する部長たちの話を聞く姿勢も見られず、ただ自分の意見に合わせて周りが変わるべきだという姿勢"融通が利かない"を通り越して"極めて自己中心的"である。

また、現段階で極めて無駄な会議を続けているのはどう考えても現在の部員のためにはならないだろう。

新入生のことしか見ていない、今の部員を軽視している、そのような印象を抱く。

 

 

また、彼女は生徒会書記の2名を監視委員会に任命している(20章)。

20章で初めて登場した監視委員会の仕事は「スクールアイドル同好会の監視、およびライブや練習の阻止」であり、学内で同好会のメンバーが集まっている場所を見つけて練習する素振りがあれば制止をかける様子が見られた。

そもそもこの監視委員会の存在自体、同好会のメンバーのためにならないどころか、放課後に学校を出るまで監視されて自由に活動できない状態にされていることは言うまでもないだろう。

 

また、ランジュが自ら編成した監視組織よりは栞子が任命した2名の書記による監視の方が同好会にフレンドリーであり、それを目的として2人による監視委員会に任命していたとしても(23章で栞子がそのように言っているのでそうなのかもしれない)、

監視委員会の活動時間が授業終了後から部活動の最終下校時刻まで及び休日の部活動の活動時間と考えると、それだけの時間生徒会役員の2名が学内を奔走していることになり、その時間帯は常に生徒会の書記が2名欠けた状態になる。

このことから、2人を監視委員会に任命した栞子の中での優先順位は「同好会の活動>生徒会の仕事」=「同好会メンバー>他の一般生徒」だとわかる

よって、栞子は監視委員会を設置する上で、「ランジュ>同好会メンバー>一般生徒」という優先順位をつけていることになる。

事実、栞子は28章において『……だから、私だけは側にいようと…… ランジュがスクールアイドル部を望むなら、共にいようと……』と、そのときの心情と共に「スクールアイドル部のことに関してはランジュを第一に置いていた」ことを吐露している。

 

つまり、栞子はランジュの心からの笑顔のために同好会よりランジュを優先し

同好会のファンである生徒会書記の2人に放課後監視委員会としての活動をさせるという、一般生徒より同好会を優先する行動を取っているのだ。

そして、それは学園をよりよくしようと思っている生徒会長とは到底思えない行動だ。

 

上に挙げた2つはどちらも生徒会長という自らの立場を利用したものであり、明らかな職権濫用だ。

 

以上の要素から、彼女が"融通が利かないのではなく、人の話を聞かない極めて自己中心的"な人間であり、"決して「みんなのために」行動できていない"ことが読み取れる。

 

 

2020年12月27日にTwitterにアップロードされた栞子の紹介画像内の紹介文の方にも、気になるところはまだある。

人にも自分にも厳しい」の部分と、「スクールアイドル活動にも習い事にも全力!」だ。

 

栞子が8章で「生徒を導く立場にいる生徒会長は生徒会より優先することがあってはいけない」と言っていたが、同章でせつ菜が生徒会の仕事の影響で同好会に来るのが遅くなる描写があったのに対して栞子はメインストーリー上でそのような描写はなく、メインストーリーを読んでいるだけではただ「スクールアイドル活動に全力」な姿しか見ることができない。

実際、2020年10月16日の毎日劇場では希に「スクールアイドルを始めてから対外活動(ボランティア)との両立に悩んでいる」と、2021年2月7日の毎日劇場では鞠莉に「(スクールアイドルと生徒会長の両立の)ペースがだんだん掴めてきた」と言っているが、この2つを見るに彼女は生徒会よりもスクールアイドル活動に重きを置いているように思える。

その上で「スクールアイドル活動にも習い事にも全力!」と言う文を見ても「生徒会活動には全力を尽くしていないのではないか?」という疑念を抱いてしまう。

そして、8章で栞子が言ったことを28章現在の彼女は果たせていないのだ。

当時の生徒会長はダメで自分はいいというのは、ずいぶんと自分に甘いようだ。

 

 

上に挙げた部分とは別の側面で、その記述に違和感を覚える描写も存在する。

 

栞子が生徒会長としての職務中に居眠りをしているという描写がある(栞子キズナエピソード7話)。

それ自体はせつ菜のキズナエピソードにも類似した話が存在するが、今この話を持ち出したのは「虹ヶ咲学園の生徒会は激務である」ということを提示するためであり、職務中の居眠りという点において栞子を責めるつもりで引用したわけではないと記しておく。

 

ところが、生徒会の仕事の最中に居眠りをしてしまうほど多忙であるのに、彼女は生徒会の書記の2名を監視委員会の仕事をさせているのだ。

虹ヶ咲学園の生徒会の構成人数はアニメと同じなら5人だが(人数が異なる可能性もあるが)、そのうちの3名(栞子+書記2名)が放課後と休日に業務を常にこなせる状態でなくしたあたり、栞子は自身が職務中に居眠りをするような状況を是としているように思える

これを"自分に甘い"と言わず何と言うのか。

 

 

上に関連した話になるが、25章にせつ菜と"あなた"が生徒会の仕事を手伝う描写があるため、

20章の前後には生徒会の仕事の引き継ぎが完了していて、せつ菜と"あなた"の2人は栞子に頼まれて継続的に生徒会の仕事の手伝いをしていると思われる(栞子キズナエピソード4話)。

 

引継ぎ後も継続的な手伝いを頼んだのが監視委員会の設立前であれば、

生徒会の仕事を手伝ってもらっていながら同好会の活動を制限するという恩を仇で返したことになるし、

悪意を持った見方ではあるが「同好会に練習をさせなければもっとせつ菜に仕事を割り振れて、自分はスクールアイドル活動に全力で取り組めるし書記を監視委員会活動に充てられる」という意図を見出すこともできてしまう。

 

20章後に手伝いの継続を頼んだのであれば、2人に『おふたりは本当に優秀です』と調子のいいことを言って、書記2名を監視委員会に任命したことが原因の人手不足を現在進行形で監視委員会の影響を受けている人で穴埋めしている非道さ

もしくは学内で練習できない状況にしていた過去がありながら2人の優しさにつけ込む形で負担を強いる面の皮の厚さを披露していることになる。

これも、彼女の自分への甘さの現れのひとつだ。

 

ちなみに、メインストーリー25章に於いて、せつ菜と"あなた"に生徒会の手伝いをしてもらっている最中、せつ菜と書記の2名が話しているのを仕事の手を止めてにこにこと見つめている

この時のスチルで顔は完全に上方、つまり机上の資料ではなくせつ菜を見ており、また1枚目のスチルイラストと2枚目で持っているペンの位置が変わらないことから、彼女が仕事の手を止めていたことは明白だろう。

彼女たちが他にやることがあるのを知りながら2人の甘さ・優しさに漬け込んで拘束する、これもまた彼女の自分への甘さだろう。

 

 

この事から、"大言壮語しておきながら生徒会活動には全力を尽くさない"有限不実行な人物かつ"他人には厳しいが自分には甘い"人物であるという印象を受け、やはりこの記述も彼女の実情を表現できていないように思える。

 

 

次に、彼女の服装の話をしようと思う。

 

まずは練習着。

夏服・冬服問わず、左右にヘアピンを付けている。これは制服着用時には付けていなかったものである。

問題は、そのヘアピンの位置が危険ではないかということである。

 

ニジガクの中で夏の練習着姿でヘアピンをしているのは歩夢、かすみ、彼方、せつ菜、エマ、栞子の6人である。

そのうち彼方、せつ菜、エマの3名は、普段の立ち絵と比較して前髪が留められているのがわかる。

一方で歩夢、かすみ、栞子の3名は、ヘアピンによって前髪の形は変化していない。

しかし、かすみは制服姿でつけているヘアピンと同じ位置につけているし、歩夢は制服の時につけているヘアピンのうち片方をつけているように見える。

しかし栞子は普段は一切目立つヘアピンをつけていないにも関わらず、練習着に着替えた途端前髪を留めていないヘアピンを左右に1つずつ付けているのだ。

ちなみに、μ'sとAqoursのキャラクターの中で制服姿ではヘアピンを付けていないが練習着姿では付けているのは絵里のみで、

スクフェスのカード絵を参照すると、夏練習着では留めた位置のすぐ先に短い前髪があるのがわかり、冬練習着では前髪の流れが明らかにヘアピンを起点に変わっていることがわかる。

 

ヘアピンの位置の話に戻そう。

1周目のスクスタフェス限定のイラストでは栞子は向かって右側の普段は垂らしている部分を耳にかけているが、問題は左側の方である。

彼女の動きに合わせて宙に浮いているのだ。

例えばターンした時には、正三角形の鋭角が顔に当たって怪我をするのではないか。

今までの運動によって少しずれていたら、顔に当たるどころか目に入ることもありえるのではないか。

実際、このイラストを初めてみた時に自分が思ったことは「ヘアピン危なくない?」だ。

 

例えばかすみであれば、位置に拘りがあるだろうから危険な位置までずり落ちることはないだろうし(タペストリーコミックブック)、歩夢のヘアピンは顔側にプラスチックのような花の飾りが付いている。

しかし、栞子のつけているヘアピンは片や正三角形、片や2本のストレートピンを交差させたような形状であり、先程挙げたカードのイラストを見ると金属製に見える光沢がある。

そんな形状の金属を顔にぶつかる可能性のある位置に2つも付けているいうのは、かなり危険ではないだろうか?

 

 

2つ目は彼女の私服だ。

 

かすみが栞子のことを調べた際、『家ではいつも和服だそうです…』という情報を披露している。

それなのに、彼女は自宅にいるシーンでも洋服を着ている。

「その噂は嘘だった」などというセリフもなしに自宅で洋服姿になるのは、読者に不親切ではないか?

 

 

最後に、彼女の8章での言葉について思ったことを1つだけ。

 

「虹ヶ咲学園の生徒の部活動と学業の成績が落ちている」のように言っていたが、

学業成績に関しては、生徒会長が悪いと考える前に「髪の毛のインナーカラーにラフな格好で教壇に立ち、「授業をする気分じゃないから」と言って授業の時間に自分の見てきたものを世界史に絡めて話す」という教育実習生が許されている(メインストーリー27章2話)ような状態及びそれを許す教員の方に問題があるとは考えなかったのだろうか?

その考えを旧知である理事長のいる理事会に伝える前に、教員も原因の一端なのかもしれないなどとはこれっぽっちも考えなかったのか?

その視野の狭さ短絡的な思考は、どうにもしずくが9章で語った『冷静沈着で成績優秀』という評価に結びつかない。

 

 

 

三船栞子というキャラクターの"設定"彼女が取っている"言動"が食い違いを起こしている。

設定を知りながらストーリーを読んでも「こんなキャラじゃなかったよね?」と思ってしまう。

その違和感が拭えないどころか、読み進めるほどに違和感は増していく。

 

好き嫌い以前に、そんなふわふわとしたキャラクター性を持つ三船栞子のことを"キャラクターとして"受け入れられなかった

 

最後の方で少しだけ挙げた「作中でキャラクターが語った三船栞子の評価」と「三船栞子という人間」が違うのは、限界はあるが許容できる。その評価を下すのもまたスクスタの世界に住む人間であり、人間の判断というのは常に正しいということはないからだ。

彼女の歯並びの件も、「財閥のお嬢様というのは誤った噂であって、実際はあまり裕福でない家庭の出である」ということにしてしまえば一応整合性は保てたわけである。

この情報を最初に提示したのはメインストーリー上であり、発言者はしずくだった。つまり、9章の後に「彼女が手に入れた情報はガセだった」ということにしてしまうこともできた。

つまり、後で否定されるのであれば許容自体はできたのだ(今回は否定されなかったので、あくまで例え話の域を出ないのだが)。

 

しかし、「公式サイトや公式アカウントで公開されたり、ゲーム内で表示される三船栞子というキャラクターの設定」が「作中での三船栞子の言動」と異なっているのはおかしいだろう。

「三船栞子というキャラクターの言動」を提示したのは公式であり、「三船栞子というキャラクターの設定」を提示したのも公式である。

この場合、公式は神の視点で物語やキャラクター達を俯瞰している立場なのだ。つまり、彼らがキャラクターを説明する言葉に誤りが存在するはずがない

にも関わらず、公式が提示した「三船栞子というキャラクターの設定」は上に挙げたように言動と矛盾するものが多く存在する。

「三船栞子というキャラクターの性格や彼女の背景」が「三船栞子というキャラクターの言動」と全く噛み合わないことに対して違和感を覚えるのは至極当然のことだろう。

 

もしも彼女がきちんと設定通りの言動を取っていたり、もしくは公開された設定が過去の言動通りのものであれば、きっと自分はここまで彼女のことを嫌っていないし、受け入れられないとも言っていなかっただろう。こんな文も書かなかったはずだ。

 

もしここまでお読みになった方の中に、自分が挙げた部分から公式の設定にあるキャラクター要素を拾える方がいるのであれば是非その解釈の仕方を教えてほしい。

好きになれるかはともかく、自分とて三船栞子のことをキャラクターとして受け入れられないままでいたくはないのだ。

 

 

 

また、これらのキャラクター紹介の文や画像は全て栞子が加入してからのものである。

キャラクター紹介の公開時点でその記述とは全く違う性質を持つキャラクターであるかのように見え、

公式が「今までの彼女の言動は全てこの性格によるものである」ように見せかけようとしているように見えた。

さらに、そのキャラクターの性格などの設定が判明してからも、取る言動は以前と変わらず公式の提示した文言に反するものが目につく。

 

これも彼女を受け入れられない理由で、端的にいえば「ストーリー上では"嫌な性格"をしているキャラクターなのに、公式には"いい子"キャラであると印象を上塗りされている」ように見えるということである。

 

「20章以降の愛は"人情に厚い"キャラクターには見えない」などの意見とはどう違うかというと、

例に挙げた愛のキャラクター設定は事前に公開されているため、20章以降の彼女の言動は「キャラクター設定に反した描写をされている」と言えるが、

先に言動があり、その後にキャラクター設定が公開された栞子は「公式が"過去の栞子の言動に反する設定"を"彼女というキャラクターの設定"と捉えさせようとしている」ように見えるのだ。

そして、栞子は今なお"公式が提示したキャラクター設定"に反する言動を繰り返している。

 

「礼儀正しく真面目な性格で、人にも自分にも厳しいけれど心は優しくて「みんなのために」行動できるまっすぐ系スクールアイドル」というにはあまりにも言動が伴っていないし

かといって「利己主義でありずる賢い性格で慇懃無礼、他人には厳しいが身内には甘いスクールアイドル」のように見えて設定はそうではない

そんな彼女のことを自分はキャラクターとして受け入れられなかったし、きっとこれからどんなにいい子ちゃん描写をされてもどんなにいい曲を貰っても受け入れられないと思う。

 

強いて言えば、「あのとき出したキャラ設定は実は栞子ちゃんに入れ替えられてたみたいです!油断ならないですね…」のような前置きをしてから彼女の本性の暴露のようなものが公式からあればキャラクターとして破綻しているという考えは改まるとは思うが、そんなことは万に一つもないだろう。あったら「受け入れられない」という表現については撤回しよう。

 

 

 

さて、ここまで彼女のことを受け入れられない理由を述べてきたわけだが、なにも嫌いになりたくてなったわけではない。

できることなら好きになりたかったし、それが無理でも1人のキャラクターとして受け入れたかった。

だが、それは叶わなかった。

それだけの話だ。

 

20章の頃からいわゆる「嫌ならやめろ」論をよく見るのだが、自分は三船栞子の活躍を見たくてスクスタをやっているわけではなく、μ'sとAqoursの活動を見たいから始めて、3校の27人が好きで27人のことを見ていたいから続けている。ということも誤解を招かないように記しておく。

 

最後に。

いつか彼女の誕生日だとか加入発表日だとかユニット結成日だとか、そういった記念日を素直に祝えるような心境になれればいいな、と叶わないであろう願望を唱えて筆をおこうと思う。